不動産投資のキャッシュフロー計算方法|税金まで含めて本当に儲かるかを確認しよう

不動産投資

不動産投資についての前回の記事では物件の修繕費について解説しました。

ゴルフ記事を挟んでしまいお待たせしましたが、今回はいよいよ「この物件は本当に儲かるのか」を数字で確認するキャッシュフロー計算について解説します。

修繕費の見当がついたら、次に必要なのがキャッシュフロー計算です。
どんなに立地がよく、修繕費が安く済んだとしても、キャッシュフローがマイナスであれば投資として意味がありません。

⚠️ これだけは最初に伝えたいこと
「多少マイナスでも何とかなるかな」という安易な判断が、後々取り返しのつかない事態を招きます。キャッシュフロー計算は物件購入判断において最も大切なプロセスです。ここを怠ると不動産投資のすべてが崩れてしまいます。

実際にキャッシュフローがプラスになる物件を探すのは簡単ではありません。
しかしここで妥協することだけは絶対に避けてください。
今回は正確なキャッシュフロー計算の方法を、税金も含めてわかりやすく解説します。

▼ 前回記事「戸建て投資の修繕費を内見で見極める|貸し出せるまでにかかる費用の考え方」

1章:キャッシュフローとは何か

キャッシュフローとは「実際に手元に残るお金」のことです。
家賃収入からすべての支出を差し引いた後に残る現金を指します。

表面利回りとキャッシュフローは全く別物

不動産投資では「表面利回り〇%」という数字をよく目にしますが、この数字とキャッシュフローは全く別物です。
表面利回りはローンの返済・税金・経費を一切考慮していない数字です。

表面利回りキャッシュフロー
年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100経費・ローン・税金を含まない家賃収入からすべての支出を引いた実際に手元に残るお金
💡 ポイント
表面利回りが高くても、ローン返済・税金・修繕費などを差し引くとキャッシュフローがマイナスになるケースは珍しくありません。表面利回りだけで物件を判断することは非常に危険です。

2章:キャッシュフローの計算式

キャッシュフローは以下の2ステップで計算します。
税金を正確に算出するための計算と、実際の手元に残るお金の計算を分けて考えることが重要です。

STEP1:税額を計算する
不動産所得 = 家賃収入 -(各種経費 + 支払い利息 + 減価償却費)
所得税・住民税 = 不動産所得 × 税率
STEP2:キャッシュフローを計算する
キャッシュフロー = 家賃収入 -(各種経費 + ローン返済額 + 所得税・住民税)
💡 なぜ2ステップ?
STEP1の「不動産所得」は税額を計算するためのもの。
STEP2の「キャッシュフロー」は実際の手元に残るお金を計算するためのものです。
この2つは別々に計算する必要があります。📌 支払い利息について支払い利息はローン返済が進むにつれて年々減少していきます。
利息が減る→経費が減る→不動産所得が増える→税負担が増えるという流れになるため、長期保有ではキャッシュフローが徐々に変化していく可能性があります。この点も念頭に置いておきましょう。

3章:収入と支出の内訳を正確に把握する

キャッシュフロー計算で重要なのが「何を収入・支出に含めるか」を正確に把握することです。

収入に含まれるもの

収入の種類備考
家賃収入メイン収入空室率を考慮して計算する(満室想定は危険)
礼金・更新料サブ収入入居時・更新時に発生。毎年入るわけではない

支出に含まれるもの

支出の種類備考
ローン返済額(元本+利息)最大の支出元本と利息の合計額で計算する
固定資産税・都市計画税毎年発生年1回。物件によって異なる
火災保険・地震保険料毎年発生必ず加入が必要
管理委託費毎月発生家賃の5〜10%程度が目安
修繕積立費毎月積立突発的な修繕に備えて毎月積み立てる
入居募集費用入退去時広告費・仲介手数料など
所得税・住民税毎年発生STEP1で計算した税額
⚠️ 注意点
「満室前提」で計算するのは危険です。空室期間・修繕費・突発的な出費を必ず織り込んで計算しましょう。
楽観的な数字での計算がキャッシュフロー悪化の原因になることが多いです。

4章:具体的な計算シミュレーション

実際の数字を使って計算してみましょう。以下はあくまでシミュレーション例です。

【物件条件(例)】物件価格:500万円 / 修繕費:50万円 / 諸費用:25万円(物件価格の5%)
ローン:300万円借入・金利3%・15年返済 月返済額:約2.1万円想定家賃:月5万円(年間60万円) 
空室率:10%を考慮 → 実質年間収入:54万円

減価償却費とは

減価償却費とは、建物の取得費用を耐用年数に応じて毎年少しずつ経費として計上できる仕組みです。実際にお金が出ていくわけではありませんが、税務上の経費として認められるため節税効果が期待できます。

💡 重要:
土地は減価償却の対象外です減価償却できるのは建物のみです。土地は時間が経っても価値が減少しないと考えられるため、減価償却の対象になりません。物件価格から土地代を除いた「建物価格」に償却率をかけて計算します。
構造法定耐用年数償却率計算式(目安)
木造22年0.046建物価格×0.046
鉄筋コンクリート造(RC造)47年0.022建物価格×0.022
💡 築古木造物件の耐用年数の計算方法(簡便法)
中古物件は新築とは別の計算式で耐用年数を求めます。
・法定耐用年数をすべて経過している場合:法定耐用年数×20%(端数切捨て)例)木造で法定耐用年数22年を超えた物件 → 22年×0.2=4年
・法定耐用年数の一部を経過している場合:(法定耐用年数-築年数)+築年数×20%(端数切捨て)例)木造築15年の物件 → (22年-15年)+15年×0.2=10年
耐用年数が短い分、1年あたりの減価償却費が大きくなる傾向があります。詳細な計算は税理士等の専門家にご確認ください。
⚠️ 減価償却終了後のキャッシュフローに注意減価償却費を計上できる期間が終わると、経費として計上できる金額が減るため、課税所得が増え税負担が大きくなる可能性があります。実際に手元に入るお金が増えるわけではないため、結果としてキャッシュフローが悪化するケースも考えられます。長期保有を検討する場合は、
減価償却終了後のシミュレーションもあわせて行っておくことをおすすめします。

STEP1:税額を計算する

項目金額(年間)
家賃収入(空室10%考慮)+54万円
各種経費(固定資産税・保険・管理費等)-10万円
支払い利息(ローン利息分のみ)-約8万円
減価償却費(木造・築古の場合)-約20万円
不動産所得(課税対象)約16万円
所得税・住民税(税率20%で計算)約3.2万円

STEP2:キャッシュフローを計算する

項目金額(年間)
家賃収入(空室10%考慮)+54万円
各種経費-10万円
ローン返済額(元本+利息)-約25万円
所得税・住民税-約3.2万円
✅ 年間キャッシュフロー約+15.8万円
⚠️ このシミュレーションはあくまで計算例です。
税率は個人の所得・状況によって異なります。実際の投資判断をされる際は必ず税理士など専門家にご相談ください。

5章:キャッシュフローがマイナスの物件は買ってはいけないのか

「多少マイナスでも何とかなる」は絶対にNGキャッシュフローがマイナスということは、毎月自分の財布からお金を出し続ける可能性があるということです。空室が続いたとき・突発的な修繕が発生したとき・金利が上昇したときに経営が苦しくなるリスクがあります。「立地がいいから」「物件が気に入ったから」という感情的な理由でマイナスの物件を購入することは、投資ではなく消費になってしまう可能性があります。ここを妥協すると不動産投資全体に影響が出てしまうことも考えられます。

実際にキャッシュフローがプラスになる物件を探すのは簡単ではありません。
何十件と調べても条件に合う物件が見つからないこともあります。しかしそれが現実です。

プラスの物件に出会えるまで根気よく探し続けること。それが不動産投資で失敗しないための最も大切な姿勢です。

まとめ:キャッシュフロー計算は物件購入判断の最重要プロセス

今回のポイントをまとめます。

  • 表面利回りとキャッシュフローは全く別物。利回りだけで判断しない
  • 計算は2ステップ:①不動産所得で税額を計算→②実際のキャッシュフローを計算
  • 収入には空室率を必ず織り込む。満室前提の計算は危険
  • 支出にはローン返済・固定資産税・保険・管理費・修繕積立・税金をすべて含める
  • キャッシュフローがマイナスの物件は原則購入しない
  • プラスになる物件が見つかるまで根気よく探し続けることが大切

キャッシュフロー計算を怠った物件購入は、後々後悔することになる可能性があります。面倒でも必ずこの計算をしてから判断するようにしましょう😊

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