今回はいつもと少し毛色の違う記事です。
もともと仕事でもClaudeを活用していましたが、株式投資では日々の株価チェックに地味に時間が取られていることが気になっていました。
「この作業、Claude Codeで何か自動化できないだろうか」と思い、Claudeに相談してみたところ、J-Quants APIを使えば株式情報を自動取得できるという提案をもらいました。
これを機に、Claudeの有料プランとあわせてJ-Quants APIにも登録してみることにしました。
プログラミングの経験は全くない状態からのスタートでしたが、AIと対話しながら進めることで、一つずつ判断を理解しながら形にすることができました。
今回はその過程で起きた紆余曲折を、実体験ベースでシェアします。
完成までには何度も想定外の壁にぶつかりましたが、振り返ってみると、その一つひとつが「データを扱う上で知っておくべき仕組み」の勉強にもなったと感じています。
| 📌 Claude Codeとは ターミナルやVSCode上で、AIに指示を出しながらコードを書き進められるツールです。 プログラミング未経験でも、やりたいことを言葉で伝えながら一緒に開発を進められる点が特徴です。 |
1章:きっかけ|Claudeへの相談からJ-Quants API登録へ
もともと仕事でもClaudeを使っていましたが、株式投資では株価などを調べる作業に地味に時間が取られていました。
何とか自動化できないかと考え、Claude Codeで何ができそうかをClaudeに相談してみたのが今回の出発点です。
すると、J-Quants API(東京証券取引所などのデータを提供するAPI)を使えば株式情報を自動取得できるという提案をもらい、Claudeの有料プランとあわせてJ-Quants APIにも登録してみることにしました。
日経平均・NYダウ・S&P500・ナスダックの主要指数と、保有銘柄の株価を、毎朝ワンクリックで確認できるツールを作れれば、証券会社のアプリを一つずつ開いて確認する手間を省けると考えました。
| 💡 J-Quants APIとは 日本取引所グループが提供する、株価や財務情報などをプログラムから取得できるデータ配信サービスです。 株式のスクリーニングツールを自作する際によく使われています。 |
作りたかった機能のイメージ
- 主要指数(日経平均・NYダウ・S&P500・ナスダック)を一覧で表示する
- 保有銘柄の株価と前日比を一覧で表示する
- 毎朝ワンクリック、または自動実行でレポートを確認できるようにする
- パッと見て状況が分かるよう、色分け・見やすいレイアウトにする
2章:最初の壁|Freeプランのデータ遅延
開発を始めてすぐに、J-Quants Freeプランでは直近12週間のデータが遅延配信になっており、「今日〜前日」の情報が取得できないことが判明しました。
毎朝の相場チェックツールとしては、これでは意味がありません。
3章:Lightプランへの切り替え、それでも残った制約
そこで、有料のLightプランへの切り替えを決断しました。
もしあまり効果がなかったとしても、「2〜3ヶ月試してみて、数千円の損失で済むなら十分許容範囲」という考え方です。
執筆時点でLightプランは月1,650円でした(※プラン内容や料金は変更される場合があります)。
しかし切り替え後、さらに構造的な制約が見つかりました。
日経平均はJ-Quants(東証系データ)では原理的に取得できません。
日経平均は日本経済新聞社が独自に算出している指数のため、東証のデータには含まれない仕組みだからです。
加えて、保有銘柄の一部も東証データの対象外であることが分かりました。
| 💡 なぜ日経平均は取得できないのか 日経平均株価は東京証券取引所ではなく、日本経済新聞社が独自の計算方法で算出している指数です。 そのため、東証のデータを扱うJ-Quants APIでは、原理的に取得できない仕組みになっています。 |
4章:代替データ源探し|Stooqの検討と壁
次に検討したのがStooqという海外の無料データソースでした。過去の株価データを幅広く取得できると知り、J-Quantsの制約を補える候補として期待していました。
しかし調べてみると、2026年6月頃からBot対策が強化され、APIキーが必須になったことが分かりました。これにより、無料での自動取得が難しい状況になっていました。
せっかく見つけた候補だっただけに、この時点では正直、振り出しに戻った感覚がありました。
5章:最終的にYahoo!ファイナンスへ|複数指数をまとめて取得
最終的にたどり着いたのが、Yahoo!ファイナンスのデータを取得する方法でした。Yahoo!ファイナンス経由のデータを使うことで、日経平均を含む日本株の指数と、NYダウ・S&P500・ナスダックの米国3指数を、まとめて取得できるようになりました。
結果的に、複数のデータソースを組み合わせる複雑な構成にせずに済み、コードもシンプルになりました。
振り返ってみると、最初からYahoo!ファイナンスだけで完結できていた可能性もありますが、J-QuantsやStooqを試したことで、それぞれのデータソースの特性を理解できたのは収穫でした。
| データソース | 特徴 | 直面した課題 |
| J-Quants(Free) | 東証系データを無料で取得可能 | 直近12週間のデータが遅延配信 |
| J-Quants(Light) | リアルタイムに近いデータを取得可能 | 日経平均・札幌証取銘柄が対象外 |
| Stooq | 海外の無料データソース | 2026年6月頃からAPIキー必須化 |
| Yahoo!ファイナンス | 日米の指数をまとめて取得可能 | 最終的にこちらを採用 |
6章:開発中に学んだセキュリティの教訓
開発を進める中で、APIキーがコード上に平文のまま表示されてしまう場面が複数回発生しました。
デバッグ(プログラムの不具合や誤りを見つけて修正する作業)のためにログを出力した際に、変数の中身としてAPIキーがそのまま画面に表示されてしまったケースなどです。
その都度キーを再発行して対応しましたが、これをきっかけに、開発ルールをまとめたCLAUDE.mdというファイルに「秘匿情報を画面出力しない」というセキュリティルールを追記しました。ルールとして明文化しておくことで、以降は同じ形でのミスを防げるようになりました。
| ⚠️ APIキーの取り扱いには注意が必要です APIキーやパスワードなどの秘匿情報は、チャット画面やターミナルの出力にそのまま表示されると、意図せず記録に残ってしまう可能性があります。 開発ルールとして「秘匿情報を出力しない」ことを明文化しておくと、同じミスを繰り返しにくくなります。 |
7章:コンソールからHTMLレポートへ
最初は黒い画面(コンソール)に文字がずらずらと並ぶだけの、味気ない表示でした。数字の羅列だけでは、前日比がプラスなのかマイナスなのかも一目では分かりません。
そこから、上昇はグリーン・下落はレッドで色分けし、絵文字も添えたHTML形式の見やすいレポートへと発展させ、毎朝ワンクリックで開けるツールとして完成させました。
ブラウザで開くだけで、指数と保有銘柄の状況がひと目で把握できるようになったのは、当初想定していた以上の完成度でした。
8章:Claude Codeと対話しながら進めた感想
今回、実装そのものはほぼすべてClaude Codeとのやり取りの中で進めました。
エラーが出たら、その内容をそのまま伝えて原因を一緒に確認し、解決策を試すというサイクルの繰り返しです。
印象的だったのは、「動くコードができた」で終わらせず、なぜそのエラーが起きたのか、なぜその解決策を選んだのかを都度説明してもらえたことです。
おかげで、プログラミング未経験の自分でも、ブラックボックスのまま進めるのではなく、仕組みを理解しながら一歩ずつ形にできました。
特にJ-QuantsやStooqの制約に直面したときは、代替手段の候補を複数提示してもらい、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら自分で判断できたのがよかった点です。
まとめ:今回の学び
今回の開発を通じて、いくつかの気づきがありました。
- 証券会社のツールでもある程度のスクリーニングはできますが、独自の条件設定や自動化はコードの強みが活きます
- データソース選びは「無料・手軽」に見えても、仕様変更や対象範囲の制約で思わぬ壁にぶつかることがあります
- トラブルシューティングの過程で、APIキーの取り扱いなどセキュリティ意識を実践的に学べました
- プログラミング未経験でも、AIと対話しながら進めれば、一つ一つの判断を理解しながら形にできます
今回作ったツールは、まだ改良の余地がある部分もありますが、毎朝の相場チェックがぐっと楽になりました。
今後は、指数の推移をグラフ化する機能や、決算発表日の通知機能なども追加してみたいと考えています。
次回は、実際のツールの画面や、今後追加してみたい機能についても紹介できればと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
